こんにちは!
複数の億規模プロジェクトでPLやってるやまさんです!
新人さんが入ってきてしばらくした頃、ウチの現場でよく聞くセリフです^^;
やまさんがいる部署には小さなチームがたくさんあります。
全部が全部ではないんですが、先輩エンジニアが新人さんに教えるってことをあまりしないんですよね…
教えたとしてもひとこと余計というか、「それ言う必要ある?」っていうのも、けっこうみかけます。
実はエンジニアの業界では「新人に教える」って文化があまりないんじゃないのかなって思うんですよ。
言いかえると、背中を見て(勝手に)育て的な「昭和な職場」がけっこう残ってるんじゃないかなーって感じるんですよね。
実のところ、やまさんは「昭和な職場」の環境で新人~若手時代を過ごしました。
そのときの経験もふまえ、この記事では教えないエンジニアの文化について書いてみようと思います。
Contents
新人エンジニアを教育しない文化
「そんなことも分からないのか!」
冒頭でも触れましたが、残念ながらウチの現場では1年目のエンジニアが一番よく言われるセリフです…
他にも
「それ、ちゃんと調べたの?」とか
「プログラムちゃんと見た?」とかもよく聞きますね^^;
ボクも文系からエンジニアになったこともあり、新人のころよく言われました…
新人のころって何が分からないのかも分からないんですよね。
そんなところからスタートなので調べ方なんてもっとわかりません。
PC画面にはよく分からないプログラムコードやら、専門知識がたくさん書かれてる設計書がうつってて、何を調べたらいいか分からん…
ボクの新人のころはそんな感じでした。
まあ少し分かるようになっても、次は調べ方が分からなくてまた怒られるんですけどね…
ひとことで言うと昭和な感じです。
- 先輩の背中を見て覚えろ。
- 技術は見て盗むものだ。
これ昭和の職人の世界にそっくりだと思いません?
ボク自身、中堅エンジニアになって「普通に教えてあげればいいんじゃない?」って個人的に感じます。
ただ、教える側も忙しいんですよね。
ボクもエンジニア5年目ぐらいに新人さんの教育係をやりました。
自分の仕事やりながら人のめんどうをみるのはかなり大変です。
さらに若手~中堅手前ぐらいのあたりって会社からすると、”なかなかいい人員”なんですよ。
このあたりの年代の人たちはサポートなしで仕事をある程度できるようになってます。
年齢的にも20代中盤~30歳手前ぐらいだと思うので体力的に多少ムリしても大丈夫。
なので、若手から中堅手前人員っていろいろ仕事を任されがちです。
いろいろ任された結果、すごい忙しい。
任されるいろいろな仕事の中に、教育係が含まれてるケースが多いんじゃないでしょうか。
忙しくて余裕がなくなっちゃうと言葉づかいが荒くなったり、気を使えなくなったりしちゃいますよね^^;
人間なので余裕がなくなると、粗々しくなっちゃいます。
さすがにそれは仕方ないかなと思うんです。
ですが、昭和な環境では余裕のあるなし関係無く「そんなことも分からないのか!」とか言っちゃいます。
これ、新人エンジニアに言って何か変わるでしょうか。
ぶっちゃけ何も変わらないですよね。
なら、「そんな余計なこと言わなくてもいいでしょ」って思うんです。
だったら、「まずは何が分からないか整理してみようか」とか「ここに基礎的なこと書いてあるから分からないかもだけどまず読んでみて」など、こういう感じの方が建設的だと思うですよね。
ですが、やまさんの職場も含めて昭和な感じの新人エンジニアは現場でボコボコされるところから始まります…
教えてもらえない新人エンジニアの心
昭和な文化を持ったままの現場で新人エンジニアはボコボコにされるところから始まります。
最初は新人さんも心の中で反発していると思います。
こんなことも知らないのか!
(そんなの分かるわけないだろ!!)
ただ、これが何日も何週間も何ヵ月も続くと話は別…
こんなことも知らないのか!
(こんな基礎的なことまで分かってないんだ…)
だんだん自信を失っていくわけです。
というか、知らないのは当然ですよ。
エンジニアって専門職です。
仕事で扱う知識は専門的なものが大半。
さらにその現場でしか知られていないことを”常識”のように言われることもあります。
もし、数ヵ月前まで素人だった新人エンジニアが数週間で現役エンジニアと同じレベルで仕事できたらどうでしょうか。
やばくないですか?
その新人エンジニアの優秀さもスゴすぎてやばいですが、先輩エンジニアの方はもっと逆の方向性でやばいです。
新人が数ヵ月で到達できるレベルの仕事しかしてないってことですからね…
「分からなくて当たり前」なんです。
ですが、新人エンジニアは何週間、何ヵ月も、毎日言われるうちに自信をなくしていきます。
「自分はなんて無能なんだ…」って勘違いしちゃうわけですね。
昭和の現場では新人エンジニアは「無能であること」を叩きこまれます。
ボクも昭和の現場で新人時代を過ごしましたが、一種のマインドコントロールなんじゃないかって思うレベル。
ホントにやらないといけないのは新人の”教育”です。
新人さんが育ってくれると、仕事を分担できるので先輩エンジニアもラクになりますしね。
先輩エンジニア側にもメリットはあります。
ですが、実際はやってることは”無能さを叩き込むマインドコントロール”…
ホント、誰得?
では「無能さを叩きこまれるマインドコントロール」を受けた新人エンジニアはどうなるのでしょうか。
教えてもらえず、ボコボコにされ続けた新人エンジニアの1年後
「そんなことも知らないのか!」そんな言葉で”無能のマインドコントロール”を受けた新人エンジニアはどうなるのでしょうか。
ボク自身の経験やこれまでの新人エンジニアを見てると、次の2つのうちのどちらかです。
- 順応して戦力になる
- 自分の力のなさに絶望して存在感を消す
教えない昭和な環境に順応して戦力になる新人エンジニア
”教えない環境”でも順応して戦力になっていく新人さんがいます。
ようは昭和な環境のマインドコントロールを受けつつも、成長することができた人たちですね。
昭和な環境で成長できた新人エンジニアは才能があった人たちが多い気がします。
もしくは、ちゃんと教えてくれる”貴重な”先輩エンジニアにうまく出会えた場合ですね。
昭和な職場の先輩エンジニアにも種類があるんですよ。
大まかには次の2種類です。
- 言う必要ないことも言うけど、なんだかんで教えてくれる人
- 罵倒だけする人
なんだかんだ言って教えてくれる先輩エンジニアにあたればラッキーです。
罵倒されて自信をなくすこともありますが、最低限、知識を身につけられますからね。
少なくとも成長はできるってことです。
気持ちよく成長できるのが一番なんですけどね。
ちなみに、昭和な環境の中で成長できた人は自分の後輩が入ってきたとき初めて自分の成長を感じます。
後輩ができないのを見て成長を感じるんですよね。
ちょっと悲しいですが、事実です^^;
- 後輩はこんなこともできないのか。
- これってできて当たり前だと思ってたけど、違うんだな。
- そういえば1年目の自分もできなくて怒られた記憶あるわ。
- 意外と自分って成長できてたんだな。
こんな感じですね。
もちろん、昭和な職場で1年耐えたエンジニアもベテランエンジニアに比べればまだまだ。
ですが、1年耐えて基礎はできてます。
基礎ができているので、いろんな仕事を経験しながら成長しています。
自分の力のなさに絶望して存在感を消すエンジニア
昭和な環境でITスキルの基礎を習得できなかったエンジニアはどうなるのでしょうか。
この類のエンジニアは職場で存在感を消して過ごすようになる人が多いです。
目立つと、またいろいろ言われちゃいますからね^^;
さらに人に質問することに恐怖を感じるようになります。
人の顔色をめちゃうかがうようになります。
- こんな基本的なことが分からないって言ったら〇〇さんにまた怒られる。
- でも、期限内に仕事終わらせないとそれ以上に怒られるから聞くしかないよな…
- できるだけ機嫌のいいときに質問しよう…
こんな感じですね。
間違ったことを言ってはいけないと、強く感じすぎてしまうですよ。
まあ間違ったことは言わない方がいいんですけどね。
そりゃ、正解をいえたほうがいいです。
ですが、間違ったことを言ってはいけないという気持ちが強すぎるのはよくない。
発言できなくなってしまいますからね。
現場で発生している問題の解決つながるような情報もすべて発言しなくなります。
発言しない、つまりは他の人に認識してもらえないのは存在しないのと同じじゃないですか。
誰も意見を言えない状況になると、組織として良くなっていかないです。
ですが、これはまだマシかもしれませんね。
もっとマズいのは問題を隠してしまうこと。
結果、あとあとになって問題を発見。対処する時間がめちゃ短くなって…
これが最悪のパターンです^^;
また、↑のような組織としても問題以上に「間違ってはいけない」、そういういきすぎた気持ちは本人にとってめちゃストレスです。
ずっと脅迫されてるように感じるんですよね。
難しい言葉で言うと、心理的安全性の欠如ってやつです。
間違ったことを言っても批判されないっていう安心感は組織としても個人としても良い結果を生みます。
少し話がそれましたね^^;
昭和な環境で罵倒され続け自分の無力感を必要以上に感じたエンジニアは自分の存在感を消そうとします。
さらに半年とか1年そのまま成長できなくて自分の無力感を感じたままだと、転職したりすることが多いですね。
個人的には転職するならまだいい方かなと思います。
そのまま精神的に病んでしまって…という人もいるので…
環境を変えるのはイチ個人、しかも新人や若手エンジニアではほぼできません。
では、昭和な環境の批判の嵐から脱出するにはどうしたらよいのでしょうか。
昭和な環境の批判の嵐から脱出する方法
昭和な環境の批判の嵐から脱出するにはどうしたらよいのでしょうか。
方法としては大きく3つあります。
- 自分よりできない人が現れるのを待つ
- 別の環境へ移動する
- 成長して実力をみせつける
説明していきますね
自分よりできない人が現れるのを待つ
自分よりできない人が出てくると攻撃先が変わって批判されることが少なくなります。
なので、それまで待つ、という方法ですね。
根本的にまったく解決はしてないんですが、脱出できることには変わりなので紹介しておくことにしました^^;
ただ、この方法では自分から脱出することができません。
なので、あまりオススメはしないです…
※だったら、言うなよって話ですけどね^^;
別の環境へ移動する
当たり前ですが、昭和な環境から別の環境へ物理的に移動すれば脱出することができます。
具体的なやり方は転職や異動願いを出したりなどですね。
ちなみにこういう話を職場の上司にすると、たいてい引き止められたり、「逃げるのか」とか言われます。
ですが、いいじゃないですか。
逃げたって。
逃げるのは悪いことじゃないですよ。
少し触れましたが、昭和な環境そのものを変化されるのはイチ個人では不可能です。
上司や会社の役員レベルでもかなり難しいでしょう。
人の意識そのものを変えないといけないからです。
「ここで逃げるのはお前のためにならない」とか言ってくる上司もいるでしょう。
ですが、そんなのムシでOKですよ。
転職や異動で昭和な環境から物理的に脱出するのは自分のためになります。
都合が悪いのは上司だけ。
今の職場だけがすべてではないです。
外には批判せずにしっかり教えてくれる環境もあります。
見極める期間は1年もあれば十分でしょう。
1年も仕事をすれば、イヤでも成長できます。
1年マジメに取り組んで成長を感じられないなら、環境が悪いと判断して別のとこにうつるのがいいんじゃないでしょうか。
成長して実力をみせつける
仕事ができないから批判されるのであって、できるようになれば批判されることはめちゃ少なくなります。
なので、頑張って自分の能力をあげましょうという脱出の方向性ですね。
ただ、仕事ができるようになって「おれは実力でのし上がった」とか言うと、違う方向性で攻撃されることがあります^^;
なので、「〇〇さんのおかげで仕事できるようになりましたー」とかテキトーなこと言っときましょう(笑)
本心で言えるならいいんですけどね。
残念ながら実際は少ないと思います。
まあ、ぶっちゃけかなりむかつきますよ(笑)
ただ、テキトーに言っとくだけで批判されることはかなり少なくなるはず。
一時の話なのでガマンしちゃうのがいいじゃないかなと思います。
なお、気づいているかもしれませんが、この「実力をみせつける」という方法、やり方によってはかなり難しいです。
なぜなら、批判してくる人を超える実力を持たないといけないからです。
批判してくる人は何年も仕事をやってるだけはあって実力や経験値は高いはず。
正攻法で実力を見せつける方法はオススメしません。
ちょっとしたコツがいるんですよね。
やまさんが批判の嵐から脱出した方法(正攻法で戦うのやめました)
ボクが批判の嵐から抜け出した方法は3つ目の「実力をみせつける」方法でした。
ボクも新人のときに昭和な職場に配属されています。
なので、批判の嵐の中にいました…
あ、優しい先輩もいましたよ。
ただボクは結構なポンコツだったので途中からみはなされましたが…
優しい先輩からみはなされたボクが「そんなことも分からないのか!」といった批判の嵐からなぜ抜け出せたのか。
結論は「相手の苦手分野で勝負したから」です。
攻撃してくる人のITスキルはボクより格段に上でした。
まあ、その人が業界うん十年のベテランだったのと、ボクは文系新卒エンジニアだったので当たり前なんですけどね^^;
ただ、ボクはあるとき気づいたのです。
この人、技術力はすごいけど、お客さんと話をしたり、他チームと調整したりする力は微妙なんじゃないか?
さらに全体を自分のチーム全体をよく見てみても同じ傾向があったんですよ。
みんな技術力はすごい。
勝てるどころか、頑張っても同じレベルにまでいける気がしない。
でもそれ以外のところ、相手が苦手のところで戦えばもしかして…
そんな(セコい)ことを考えたボクはいろんな本や動画を見て勉強しました。
「お世話になっている先輩たちの役に立つために頑張るんだ」
表向き、そんな感じのきれい事を自分自身に言って頑張りました。
ですが、今思うとそんなきれいな気持ちではありません。
批判の嵐から抜け出したかったんです。
認められたかったんです。
ボコボコにされる毎日を過ごすのがイヤだったんです。
会社で存在感を消すのに全力をつくすのがつらかったんです。
技術力ではなく、別の能力を磨いて勝負することにしたやまさん(若手時代)はどうなったと思います?
こう言うと、結局ダメだった感じがしますよね(笑)
実際は自分でもびっくりするぐらい大当たりしました。
お客さんへのヒアリングやマネジメントはやまさん。
技術的なことはベテランエンジニアたち。
そんな役割分担ができたんですよね。
ボクはITスキルではなく、相手が苦手な別のスキルを磨き「実力をみせつける」ことで批判の嵐から脱出できました^^
もちろん正攻法ではないです。
でも、いいんじゃないですか。
ベテランエンジニアたちは自分たちの得意分野に集中できる。
ボクは批判の嵐から脱出し、ベテランたちからも認められる。
みんな幸せです。
ちなみにこのときの詳しい話をこちらの記事でまとめてみました。
興味のある方は一度読んでみてくださいね^^
まとめ:知ってるは価値だけど知らない人を悪く言う権利にはならない
この記事では次のようなことを紹介しました。
- エンジニアは職人の世界。教えるという文化がない環境もある
- 教える文化がない環境ではベテランエンジニアから罵倒されることが多い
- 罵倒され続けると質問することに恐怖を感じる
- 罵倒は認められるか別の環境にうつるまで続く。
- 認められるには技術力ではなく違う分野で勝負する方法もある
いかがでしたでしょうか。
個人的にですが、意外に人に教える文化があるIT系の職場って少ないんじゃないのかなって思うんですよね。
エンジニア職業は転職するのが当たり前なとこもあるので^^;
だからといって、「そんなことも分からないの?」とか「使えねーな」とか攻撃するのは違うじゃないかなと。
わざわざ口に出して言わなくてもいいじゃないって感じるんですよね。
ただ、なげいているだけでも環境が変わらないのは事実です。
なので、この記事では批判の嵐から脱出する方法も紹介してみました。
なお、今回、技術力以外でエンジニアとして認めてもらう方法をちょっとだけ紹介しました。
でも、実はエンジニアだけど技術に興味を持てない人って意外と多いのご存じでしょうか。
「エンジニアは技術に興味を持てないとやっていけないのか」というテーマで記事を書いてみました。
Twitterでツイートしてみたら意外と好評だったので、気になる方はこちらから見てみてくださいね。
それでは!!
お前、そんなことも分からないのか!
よくこの会社は入れたな…